2007年11月02日

《父子 After This Our Exile 》

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2006年
監督:譚家明(パトリック・タム)
出演:郭富城(アーロン・クォック)楊采[女尼](チャーリー・ヤン)
    呉景滔(ン・キントー)林熙蕾(ケリー・リン) 許茹芸(ヴァレン・スー)

今年の香港映画祭では3本の映画を観たのですが、実はこの《父子》が一番印象に残りました。映画祭後、多くのニコ迷が生ニコ様との出会いの感激を反芻していらっしゃったであろう1週間、私はこの《父子》のあの子の泣き顔を思い出しては、道を歩いていても何をしててもぶわっと涙があふれて困るという日々を過ごしていたのです。トシとともに涙腺が弱くなり映画館で泣くことはしょっちゅうですが、その後1週間もひきずったのは始めてのことで、それだけ印象が強烈だったということです。

「どこだろう?」と思いながら観ていたのですが、舞台はマレーシアだそうで、少しくすんだ色合いの美しいシーンの1つ1つが目に焼きついています。ストーリーは要するに児童虐待の話なんですが、ただ子供がかわいそうというだけでこんなに涙が出るのではなく、郭富城演じる、子供を殴ったり泥棒をさせたりする、どうしようもなくダメな父親が、それでも子供を激しく愛していること、そして息子の方も、自分を裏切った父への思慕の情を大人になっても消しきれずにいたことに胸を打たれました。

自分もダメ親ながらも子供のことは世界一愛しているから、この父親の心情に激はまり。子供に泥棒をさせたりはしませんが、でも「もっと親としてちゃんとしなくては」と思いながらも、なかなか思うようにいかない日々を過ごしているから、父役の郭富城を見てるのが辛くて、辛くて。

ラストは一見、穏やかに終わるのだけど、この子がもし立派な大人に成長したとしても、子供の頃に負った深い心の傷は一生癒えることはないだろうと思うと、また涙、涙。譚家明監督も「彼の将来は簡単に結論付けられない。それはまさに、人生そのものではないか。」と言ったそうですが、まさしく子供の人生を完結しないまま、ポンと置いていかれたようなラストで、私はとても「お父さんもお母さんも平穏な人生を手に入れてよかったな」という気持ちにはなれませんでした。とってもいい映画だったけど、最後に拍手をする気持ちにはとてもなれなかった。

ここまで書くのに、またひと泣きしてしまいました。ちょっと私の反応は異常かもしれない。子供がひどい目にあうというシチュエーションそのものにどうにも耐えられません。でも郭富城と子役の呉景滔くんの演技は素晴らしかったです。大きくなってからの息子役の人も、ほんのちょっとの出演だったけど良かったです。最後に涙ぐむところが特に・・・ああ、ダメだ!また涙が・・・!

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第19回東京国際映画祭でのティーチインの内容@JanJan
郭富城の「孤単説[女尓]忘了我」MV(予告編よりこっちの方が長いので)

この《父子》で、心臓をワシ掴みにされぐわんぐわん揺さぶられるかのような感動を味わったので、他の《鐵三角》と《男兒本色》の印象はすっかり吹っ飛んでしまいました。(あ、どちらもすごく面白かったんですよ。見終わってから気持ちよく拍手したし。)《男兒本色》はいろんな意味でもう1回は観ないと語れない。
posted by meiry at 13:48| Comment(0) | TrackBack(0) | その他映画の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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