2006年11月02日

《Crazy Stone/瘋狂的石頭》

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2006年
監督:寧浩(ニン・ハオ)
主演:郭濤(グオ・タオ) 、劉樺(リウ・ホア)、連晋(リァン・ジン)

これは本当に面白かったです。有名な役者は誰も出ていないのに中国で大ヒットしたと聞いて、ぜひ観てみたいと思った映画でした。

ストーリーは、重慶のある古びた工場のトイレの床下から発見された翡翠(石)をめぐって繰り広げられるドタバタ劇です。借金を抱えて困っていた工場長は翡翠を公開展示して一儲けしようと思い、工場の警備主任である主人公に展示会場の警備を任せます。そこに、この翡翠を盗もうと企んだ地元の泥棒一味や香港からやってきた怪盗、工場長のどら息子、さらに工場の敷地を狙う地上げ屋らがからんで大騒動が巻き起こります。

脚本がほんとによく出来ていて、複雑に絡み合い、すれ違う登場人物達の動きが計算され尽しているし、テンポもよくてぐいぐいと引き込まれます。この映画にはイケメンも美人女優も出てきません。誰もがみんな、どこか抜けていて、でも憎めない。主人公ですら、さえない風貌の中年おっさんで、しかも前立腺炎でオシッコが出なくて苦しんでいるという、およそヒーローとは程遠い人物なのです。でも寄ってたかって翡翠を狙う悪党どもを相手に涙ぐましく奮闘する姿が、カッコよくはないんだけど不思議と魅力的に見えてしまいました。

この映画を観ていて「笑いのツボって中国の人も日本人も変わらないんだなぁ」と思いました。会話の間の取り方とか、リアクションとか、本当に観ていて可笑しかったです。
それから随所にいろいろな小ネタが隠されていて、それにまたクスっとしたり、プッと噴き出したり。ある登場人物の携帯の着うたが花儿楽隊の《[口喜][口刷][口刷]》だったのですが、この曲は去年中国で大ヒットし、花儿はこの曲で“最佳鈴歌曲奨”(着うたダウンロード数No.1みたいな賞)を受賞しているんですね。また主人公の仲間がわけあってパンツ一丁で安ホテルのロビーに現れるシーンがあるのですが、そのトランクスの柄が中国のサイトQQ.comのマスコットのペンギン(?)にそっくりでした。また先日、日本のテレビ番組でも紹介された中国の国宝級とも言われる舞台芸術「千手観音」のパロディが出てきたりと、知っていればなお可笑しいというネタも満載でした。これはきっと中国の若い人にもウケたのではないでしょうか。

上映後にはティーチ・インが行われ、主演のグオ・タオさんと、この映画の音楽を担当したファンキー末吉さんが出席されました。実物のグオ・タオさんはスラッとしてカッコよかったのですが、実は映画では太っちょの情けない中年男を演じるために10キロも体重を増やしての出演だったそうです。グオ・タオさんのお話から、この映画は監督を始めスタッフも出演者も若く、まだ演劇学校を卒業したばかりの素人同然の人も多く参加していたと知りました。どおりで映画に勢いが感じられるし、その感性が中国の特に若い人達に指示されたのだろうなと思いました。

もし日本でも一般公開されることになったら、多くの人に見てもらって「こういう中国映画もあるんだなぁ」と感じて楽しんで欲しい、そういう映画でした。
posted by meiry at 00:13| Comment(0) | TrackBack(0) | その他映画の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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